【青いイチゴ】

-P1-



痛い、

切ない、

寂しい、

苦しい、

私は、

青い、 イチゴ。



* * * * *



「あなたは“あの”船長をお好きだったのかと、ビビ様」

麦わらの一味との別れを惜しむ間もなく、
公務に次ぐ公務に追われていた最近の私は、
いささかの疲れを感じていた。

そんなときは、やはり彼のそばが落ち着く。

私が執務室でひとときのティータイムを楽しんでいると、
彼は唐突に、前述の話題を投げかけてきた。

「なにを言うの、イガラム」

「いや・・・ただあなたの最近の公務のこなしかた・・・
なにかを忘れようとしているかのようですね」

「そんなこと!・・・・・・なにが言いたいの?」

「あなたのデスクを整理しようとした妻が、
こんなものを・・・」

そう言って差し出されたのは、
なぜか一枚だけ似顔絵で作成された手配書。

「・・・!!ひどいわ!勝手に・・・!!」

一気に顔が赤くなるのか自分でわかる。

「なぜこの一枚だけを、お手元に?」

「知らないっ・・・!私もう仕事に戻るから!!」

そういい残して私は、彼にくるりと背を向け、
執務室を後にした。

後ろから、申し訳なさそうに私を呼ぶ声が追ってくる。

かまわず私は自室のドアを閉め、
ベッドにうつぶせに倒れこんだ。



ああ、まだ痛むのねこの胸は。



彼女に比べてずいぶん小ぶりなこの胸は、
いまだ私を苦しめる。






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