【青いイチゴ】

-P2-



私を呼ぶ、やさしい響きの声が好き。

私を守る、たくましい腕が好き。

私に触れる、長くて節くれだった指が好き。

白い肌が好き。

金色の髪が好き。

長い足が好き。

青い瞳が好き。



まぶしいものを見るように私をみつめる、
細めた瞳が、好き。



そして彼女をみつめる、
いつくしむような瞳ですら、愛おしいの。



* * *



「ビビちゃん?」

戦闘から一夜。

一味にあてがわれた部屋の窓辺で
雨上がりの外をぼんやり眺めていた私は、
彼の声でふとわれに返る。

「サンジさん・・・」

呼びかけられるだけで、こんなに嬉しい。

「どうしたの、ぼーっとして。まだ体きつい?」

「いいえ、大丈夫です」

一味の異常な回復力を目の当たりにして、
いまだとれない疲労を抱えている
自分のほうがおかしいんじゃないかと思い始めていた私は、
少し無理をして答えた。

「そう?なにか暖かいもの持ってこようか?」

そんな私に彼はちゃあんと気づいてくれるもんだから、

きゅう、と胸が狭くなる。

「ありがとう。でも、本当に大丈夫です」

「うん、わかった。でもつらかったらぜひおれを頼ってくれ!」

そう言ってにっ、と口の端を上げた彼を見て私は、
抑えていた感情の箍がゆるんでしまった。

その笑顔は、私の迷いをかき消すのに、
十分な威力を持っていたから。



「・・・サンジさん、ちょっと付き合ってくれませんか?」

「ん?ああ、よろこんで、プリンセス」

そう言いながら立ち上がろうとする私に
仰々しく手を差し出す。

私はちょっとだけ照れながらその手をつかんだ。

あと何度、あなたに触れられるのかしら…

そう思いながら。




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