【青いイチゴ】
-P6-
ひきよせられた私は、
彼の胸に優しく受け止められた。
ひとつも謝罪の言葉を口にしない、
彼の想いは強いんだな、と思う。
そして、こうして胸に抱いてくれたことは、
彼なりの感謝なのかもしれない。
夕陽に照らされた私の青い髪は、
今だけオレンジ色に見えるかしら。
私はこらえていた涙を彼のネクタイにしみこませ、
太陽は、完全に西に落ちた。
* * *
数日後、私の愛しい戦友たちは、
ふたたび冒険の海へ旅立った。
そしてバッテンを高く掲げたあなたに、
私は終止符を打てたつもりでいたの。
だけど夕陽が沈むたび、
あなたのぬくもりを思い出す。
あなたの“感謝”はあだになったみたいよ?
・・・ああ、こんな思い、
早く熟して落ちてしまえばいいのに!
だけど私はまだ青い、
青くて渋い、
砂漠のイチゴ。
END
2008/10
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