【センターライン】
-P1-
やっと半分なのか、もう半分なのか。
とりあえずここまで来た。
もう、後戻りはできない。
* * * * *
ローラその他と別れを告げ、
スリラーバークを出てから数日。
私たちはついに世界を半周し、
レッドラインに戻ってきた。
基本的に過去を振り返らない私も、
このときばかりは思い出してしまう。
そう、みんなと出会った頃のことを。
「ナーミさん。オカルト桃のコンポートができたよ!」
「ありがと、サンジ君」
ちょうど甘いものがほしかった。
この男はどうしてこうタイミングがいいのだ。
おかげで、あんたと出会った頃のことを
思い出してしまうじゃない。
彼と出会った頃、私はまだ闇の中にいた。
あいつらに惹かれつつも、
いつだって冷静な自分がいて、
「深入りするな」と囁いた。
どうやって出し抜いて逃げ出そうか、
腹の中をどろどろにして画策していたとき、
初めて彼の料理を口にしたんだっけ。
彼の料理は私の胃で溶けて、
どろどろだった中身を少しだけ中和してくれた。
・・・気がした。
あの辺の海じゃ珍しい、
サラサラのブロンドと白い肌、青い瞳。
正直、一瞬目を奪われた。
そんな彼に優しくされて、悪い気はしなかったわ。
一生本人には言うつもりないけど。
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