【スティル・グリーン】

-P1-



ジジイ。

なあ、クソジジイ。



おれは、正しかったんだと思うよ。



* * * * *



がっしゃああああん!!

今日も厨房に鳴り響く粉砕音。

下手するとフロアでさえ鳴り響く。

ここはバラティエ。

戦うコックさん蠢く、
水上レストラン。



* * *



ジジイに拾われて丸2年。

おれは未だフロア係のままだった。

料理の練習ならここにいるクソ野郎どもの何倍もしてるし、
幼少の頃から鍛えられたおれの舌は悪くないはずだ。

それにマナーにいたっては、
たまにここに来る貴族階級のそれと
遜色ない自信がある。

なのに、なんで。



いや、理由はわかってる。

クソ野郎どもの総大将、
“赫足のゼフ”ことクソジジイの嫌がらせだ。

あいつは、2年前のあの日から、
急激に成長しちまったおれの才能に
嫉妬してやがるんだ。

まったく大人気ない野郎だぜ。

その点おれは大人だから、
今はまだこのポジションに甘んじてるフリをしていてやる。

今に見てやがれ・・・



おれの夢、目標はオールブルー。

だけど目下の野望は、クソうまい料理を作って
ジジイその他をうならせることだ!

そんな野望を胸におれは、
今日も背筋をピンと伸ばし、
まあ悪かねェ料理を運ぶんだ。




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