【夢から覚めた夢】

-P6-



「それで、改めて気づかされた」

「おれは、ナミさんを好きなんだって」

「知ってる」

「そうじゃねェよ」

「・・・知ってる」

そう答えると、彼は眉を思い切り下げ、
情けない顔で笑った。

「答えてくれなんて今は言わない」

「だけど、一つだけ誓わせてくれ」

彼が私の手をとる。

そして文字通り、私の目をみて誓った。



「他の誰でもない、おれがナミさんを守る」



その言葉に、私は目を伏せることしかできなかった。

私はずっと自分とお金だけを信じて、
それらを自分だけで守ってきた。

誰も信じないし、それでよかった。

これからだってそれでいい。



だけど、彼の誓いは、
芽生えてしまった感情は、
確実に私を変えてゆくだろう。



それでも、私はまだ夢の途中。

頷くことはできないのだ。



だから、もう少しだけ夢を見させて。

いつかその腕の中で、眠るから。



END
2008/6



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