【CAT&DOG(S)】
-P2-
おれは娘を1番ドッグの門扉の裏手に無理やり引っ張って行き、
壁を背にさせ、両手で行く手をふさいだ。
男の歩幅にあわせてきたせいか、
娘の息はあらく、弾んでいる。
オレンジ色の髪からは、
水滴とも汗ともつかぬしずくがこぼれ、
その一筋が豊かな胸をつたった。
その目、だ。
娘はなにか言いたげにおれをひとにらみしたが、
それにかまわずおれは一瞬身をかがめ、
娘の唇をすくいあげた。
娘は目を見開いたまま体をくねらせ、
必死に逃れようとしている。
おれは娘の細い両腕を片手でひとつに束ね、
もう片手を薄い腰にまわし、それを阻止する。
そしてしなやかに動く娘の体を観察できるように、
薄く目を開いたまま、濡れた舌で小さな唇を押し開いた。
あとは本能の赴くままだ。
マテ、も、
オアズケ、も、
きかねェよ。
おれァ、野良犬だからな。
いまだ抵抗を見せる娘の口内を、
おれはめちゃくちゃにかき回してやった。
いつの間にか娘は目をつむっている。
じゃあ、おれも目をつむろう。
そうすると、本能に正直なふたつの荒い息だけが聞こえた。
おれはつかんでいた娘の両手を解放し、
かわりにその手を小さな頭にまわす。
解き放たれたその手は、おれの分厚い革ジャケットの背中をつかみ、
強く後ろに引っ張っている。
まだ抵抗する気か?
乱れた思考でうっすらそう思いながら、
腰にまわしていた手をなぞるように下に移動させていくと、
急に目の前から娘の姿が消えてなくなった。
「あ・・・え??」
そしてすぐに、あごに衝撃。
「い・・・てぇええぇぇえええええ!!」
おれはしりもちをつき、その場に倒れこんだ。
「・・・!!なんて女だ・・・ッ!!」
どうやらおれは、娘に思い切り頭突きを食らわされたらしい。
門扉のほうに目をやると、
娘がはだけたダボダボのシャツを、
しっかりとはおりなおして駆けて行くのが見えた。
「クソ・・・この・・・・・・泥棒猫!!!」
そう大声で叫んでから気づく。
はて、おれは、いったい何を盗まれたと思ったんだ・・・
NEXT→
←BACK
TEXT TOP