【センターライン】

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怒りやら恥ずかしさやらなんやらで
しばらくもんもんとしていたが、
そのまま眠ってしまったらしい。

私は、なんだか前にも見たことのある、
やさしい、あたたかい感覚の夢を見ていた。

大きな揺りかごに、揺られて眠る夢。

浅い眠りを彷徨っていると、ノックの音で目が覚めた。

「ナミさん、居る?」

「!?」

サンジ君の声に、反射的に飛び起きる。

まったくこの男はタイミングがいいんだか悪いんだか・・・

「・・・居るわよ。何か用?」

寝起きで声が必要以上に低い。

サンジ君は少しひるんだのか、控えめに言った。

「入ってもいい?」

普段ならこんなとき、絶対に入れない。

だけど私の口をついて出た言葉は、
「どうぞ」
だった。

「失礼しまー・・・す」

片手にティーセットの乗ったトレイを持ったサンジ君が、
様子を伺うように女部屋に入ってきた。

私は黙って見ている。

「ナミさん、さっき顔赤かったろ?
具合、悪いのかと思って・・・」

ばーか、あんたのせいよ。

声に出さずに言った。

「滋養強壮の漢方茶持ってきた」

「・・・いただくわ」

顔がほてったのは、風邪ってことにしておこう。



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