【花火花】
-P7-
彼はまっすぐに私を見つめ、目を細めて微笑む。
汗で、金色の髪が肌に張り付いている。
私の体は、まだ熱を逃がさない。
* * *
月の明かりが、
彼のジャケットだけを羽織った私を浮かび上がらせる。
もたれている白壁に反射してまぶしいくらいだ。
無数の星に照らされ、
急に少し恥ずかしくなった私は、
彼の肢体の影に隠れた。
「さっき、なんて言おうとしたの?」
「・・・忘れたってゆったじゃない」
「嘘でしょ?」
「・・・・・・」
言い返せない、
嘘だから。
でも、ホントに忘れたいことなの。
あの、屈辱の日々。
消せない過去。
あんたは、それを聞いても私を抱けたの?
そう思ったら、体に残った熱が
涙になって頬をつたった。
「ナ、ナミさん!?」
「ごめん、気にしないで・・・」
「ナミさん」
彼はゆっくりと、でも私から目を離さずに、かぶりを横に振る。
そうね、気にしないでなんてよく言うわ。
気にして、って言ってるようなもんよね。
私は腹を括った。
「じゃあ、いうけど!」
「“でも”過去は消せないのよ!
どんなに消したくっても!!」
やっぱり、絶叫になってしまう。
ずっと、吐き出したかった言葉だったから。
彼の反応が気にならないといったら、嘘になる。
もう、嘘はたくさんだ。
だから私は素直になることにした。
「サンジ君・・・」
「・・・なに、ナミさん」
「・・・これっきりなんて、言わないで・・・」
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