【砂漠のイチゴ】

-P5-



これまでの分を取り戻すかのように、
砂漠の慈雨はよりいっそう激しさを増していく。

城を叩くようなその雨音に私は再度、目を覚ました。



「・・・ん」

「おはよ。ナミさん」

「んん・・・はよ・・・」

・・・ん!?

目覚めた私を斜め上から見下ろすように、
彼の顔があった。

横寝して片手で自身の頭を支え、
あいてる片手で私は前髪をかき上げられた。

「ちょっと・・・いつから起きてたのよ」

「んあ?たった今だよ?」

そこかしこから寝息やら、いびきやら、
寝言やらが聞こえてくるので、
自然と二人ともささやき声になる。

「ふうん・・・チョッパーは?」

「チョッパー?蹴り落としたまんま・・・
 ・・・・・・あ」

「・・・嘘つき!」

私は再度、彼の鼻頭に手を伸ばした。

彼はそれを首の動きだけでうまくよけ、
眼前で私の手をつかんだ。

そして、囚えた私の手の甲に、
ひとつ口付けを落とす。

「な」

思わず大きな声が出た。

すると彼は人差し指を唇の前にあてがい、、
わざとらしく更に声を低くして私に顔を近づけ囁いた。

「しー・・・みんな起きちゃうよ?」

「わかってるけど・・・
なに調子にのってんのよ!」

もっと文句を言ってやりたいけど、
寝起きなのと、これまでの疲れとで、
うまく頭が回転しない。

彼は平気なのだろうか。



・・・いや、平気みたいね。

こんな意地悪なサンジ君、初めてだもの。




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