【スティル・グリーン】

-P10-



ヒメウがたいらげたスープの皿を持って厨房に戻ると、
待ってましたと言わんばかりに野郎どもが群がってきた。

「おいおい!あの子は誰だったんだ!?」

「すげェべっぴんさんだな!!」

「おめーの“コレ”か!?」

最後にデュラムが小指を立てて聞いてきやがったので、
それをつかんで逆に曲げてやった。

「いで―――――――!!!なにすんだサンジ!!」

「うるせェッ!関係ねーだろが!」



海上レストラン“バラティエ”の副料理長であるデュラムは、
やっぱり昔は海賊だった男だ。

カールした長い髪をブドウのふさみたいに一本に束ね、
広い額と太い眉を見せつけてる。

本人いわく、“クルーいちの男前”だったらしいが、
おれはいつも「顔がお好み焼きソースくらい濃い」と
言ってはデュラムにどつかれてた。

こいつは無類の女好きで、
子供が大嫌いだったが、
おれには対等に接してくれるから、嫌いじゃねェ。

調子に乗るからいわねーけどな。



「関係ねーことねーぞサンジ!
あの子はしばらくここにいるんだろ?」

デュラムは小指をふーふー吹きながらおれに尋ねた。

「まぁな。目は覚ましたが、ずいぶんひどい嵐にあって、
しばらく彷徨ってたらしい。
体力回復だけでも数日はかかるな」

「そうか」

そう言ったデュラムの顔を見ておれはゾっとした。

なんつーエロい顔してやがる!

・・・おれがヒメウを守らなきゃ・・・

必然的におれは、そう思った。




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