【スティル・グリーン】
-P11-
差し当たっておれがしなくちゃならないことは、
マシコたちの捜索だろう。
難破したとはいえ、
ヒメウは現に生きてここにたどり着いたんだ、
希望は大いにある。
だがヒメウが動けない今、
事情を知って行動できるのはおれひとり。
さて・・・
おれは先ず、顔がわかるマシコの似顔絵を作成し、
バラティエに出入りする商船や客船や、
あげく海賊船にまで配ることにした。
それからジジイや野郎どもに気づかれないように、
これまであえて耳に入らないようにしていた
リリースクの情報を集めることにした。
リリースク国王逝去のニュースは
わりと大きく扱われたみたいで、
ひと月前のことにもかかわらず、
記事の載った新聞は容易く手に入った。
久々に目にする親父の顔は、
相変わらず“厳格”そのもののようで、
モノクロの細かな文字の間からおれをにらんでいるようだ。
負けじと新聞をにらみ返しているところで、
デュラムに声をかけられた。
「おいおいサンジ、まずいメシでも食ったのか?」
「なんだよデュラムうっせェな、なんか用かよ」
「なんか用かよ、じゃねーぞ!お客だぜ。
早くチェイサー持ってきやがれ! ウ エ イ ター 君!」
デュラムは最後の部分だけ、
強調するように区切って発音した。
「なんだよ!おれだって・・・」
「なんだもパンダもねェ!
お客様をお待たせするなんて、百年早えェぞ」
「っわかったよ・・・」
・・・おれは、いつになったらお客に料理を出せるんだ。
ずっと胸で膨らんでた疑問が破裂寸前で、
さっきまでおれがしかめっ面で見ていた新聞記事を
デュラムが確認していることになんて、
おれは気づく余裕なかった。
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