【スティル・グリーン】

-P18-



* * *



「うぅ・・・ヒック、クソ!」

おれは嗚咽が止まらない自分にいらだって、
その胸板をどんと叩いた。

「クソ・・・クソ!クソ!クソォ!!」

おれは何度も何度も自分の胸を叩き、
叩いている意味もわからなくなってきたころ、
デュラムに腕をつかまれた。

「もうやめとけ」

デュラムの表情に同情の色が見て取れて、
おれはますますイラだって言った。

「直接手をくだしていなくたって、
おれがルッコを巻き込んで死なせたんだ!
殺したのもいっしょだろ!?」



「親父さんは、お前から何もかも奪い去りたかったんだな」

デュラムは長いまつげを伏せて、続ける。

「そして、親友のルッコまでも、奪った・・・」

「そうだ!あいつは、おれを憎んでおれを痛めつけることで、
自分を愛さない妻に対する腹いせをしていたんだ!」

「そうやって、必死に自尊心を保っていたんだろうな・・・
とても一国の主とは思えないぜ」

デュラムはその哀れみの目を、
遠く北の方角に馳せた。



「だけどおれは、そんな仕打ちを受けても、なにもできなかった・・・」

「おれは・・・逃げることしかできなかったんだ・・・!!」

いったん止まった涙が、
またもあふれ出す。

目から鼻からどんどん水分を出して、
からからになった喉からはひどくしゃがれた声が出た。



「・・・ウゥ・・・自分の母親でさえ、守ることもできずに・・・!」



「だから!おれはもうこんな思いを他の人間にさせたくないんだよ!」

「おれは、ヒメウをつれて行ってやりたい!
わかってくれ、デュラム・・・・・・・!」

「サンジ・・・」

デュラムは腕組みのまま黙り込こんでしまった。

そしてしばらくして上げた顔には、
なにか決心が見て取れた。



「よし!わかった!」

「なにがわかったんだよ。」

おれが怪訝そうにそう言うと、
デュラムは驚くべき決断を告げた。



「おれもついて行く!!」



「・・・・・・・・・・・・・え・・・ええええ―――!!?」






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