【スティル・グリーン】
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* * *
「うぅ・・・ヒック、クソ!」
おれは嗚咽が止まらない自分にいらだって、
その胸板をどんと叩いた。
「クソ・・・クソ!クソ!クソォ!!」
おれは何度も何度も自分の胸を叩き、
叩いている意味もわからなくなってきたころ、
デュラムに腕をつかまれた。
「もうやめとけ」
デュラムの表情に同情の色が見て取れて、
おれはますますイラだって言った。
「直接手をくだしていなくたって、
おれがルッコを巻き込んで死なせたんだ!
殺したのもいっしょだろ!?」
「親父さんは、お前から何もかも奪い去りたかったんだな」
デュラムは長いまつげを伏せて、続ける。
「そして、親友のルッコまでも、奪った・・・」
「そうだ!あいつは、おれを憎んでおれを痛めつけることで、
自分を愛さない妻に対する腹いせをしていたんだ!」
「そうやって、必死に自尊心を保っていたんだろうな・・・
とても一国の主とは思えないぜ」
デュラムはその哀れみの目を、
遠く北の方角に馳せた。
「だけどおれは、そんな仕打ちを受けても、なにもできなかった・・・」
「おれは・・・逃げることしかできなかったんだ・・・!!」
いったん止まった涙が、
またもあふれ出す。
目から鼻からどんどん水分を出して、
からからになった喉からはひどくしゃがれた声が出た。
「・・・ウゥ・・・自分の母親でさえ、守ることもできずに・・・!」
「だから!おれはもうこんな思いを他の人間にさせたくないんだよ!」
「おれは、ヒメウをつれて行ってやりたい!
わかってくれ、デュラム・・・・・・・!」
「サンジ・・・」
デュラムは腕組みのまま黙り込こんでしまった。
そしてしばらくして上げた顔には、
なにか決心が見て取れた。
「よし!わかった!」
「なにがわかったんだよ。」
おれが怪訝そうにそう言うと、
デュラムは驚くべき決断を告げた。
「おれもついて行く!!」
「・・・・・・・・・・・・・え・・・ええええ―――!!?」
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