【スティル・グリーン】
-P31-
「コケ―――!!」
「うるせェ!食っちまうぞ!!」
やっぱり今日も「ごちそうさま」しか言わなかったヒメウの部屋を出て簡易食堂に向かうと、
デュラムの怒声で出迎えられた。
食堂から追い出されたトサカが、
涙目でおれの横を通り抜ける。
「たまごを産んだら用なしか?そろそろ一緒に食堂でエサ食わせてやれよ」
「おゥサンジ、小鳥ちゃんの具合はどうだ?」
舞い散る羽を手で掃いながら狭い食堂に入ると、
おれの提案は無視してデュラムが問いかける。
「あァ・・・飯は全部たいらげたよ」
「そうか、そんなら食ってばっかで動かねェでいると太っちまうぞって、
引っ張り出してみろよ!」
「・・・・そんなだからデュラムは女性にモテないんだよ」
デュラムのデリカシーのない言葉に、ラビオが冷ややかな視線を送る。
「アホか。ヒメウはまだ青い顔してるんだぞ?
精神的な問題だけじゃなく体も弱ってるんだ!」
おれは自分にも言い聞かせるつもりでデュラムに返した。
「なんだお前らよってたかって!今日はやっとサンリーフに到着なんだぞ?
無理やりにでも起きてこなくちゃなんねェだろうが!!」
「あの・・・」
弱々しい声に全員が振り向くと、
パジャマのままのヒメウが食堂の入り口に立っていた。
「ご心配おかけしました。今日はちゃんと下船の準備、手伝いますから」
ヒメウはそう言い残して、シャワー室に向かった。
「やべェ、おれもしかして・・・嫌われた?」
デュラムは一応自分の物言いに自覚があるのか、
めずらしくおれらの前で気弱になったもんだから、
おれとラビオは「女子か!」とデュラムを指差してゲラゲラ笑った。
さらにヒメウが起きてきてくれたことが嬉しくて、
一人笑いが止まらないおれを、
野郎二人と鳥一匹が不思議そうに見ていた。
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