【スティル・グリーン】
-P44-
足取りがじぐざぐだ。
床は真綿のようでふんばれない。
前を行くマシコがどんどん遠くなる。
待って、
視界が極端にせまくって、
前がうまく見えないんだ。
待って、
待って母上、
「母上!!」
マシコに続いて勢いよく王妃の間に飛び込んできたおれを見て、
ベッド脇で彫像のようにたたずんでいた王妃つきの侍女が動きをとりもどす。
「王子…!マシコさん、王子をここへ……!?」
「よい!さがれ!!」
もはや何にかまうこともできないおれは、
弾かれたようにかしずく侍女をあしらい天蓋つきの母親のベッドに駆け寄った。
天蓋から垂れ下がるレースをもどかしく払いのけ、
横たわる母親を覗き込んだ。
ああ、母上が戴冠を急いだ理由がわかった。
長きにわたり幽閉され研ぎ澄まされた
NEXT→
←BACK
TEXT TOP