【夢から覚めた夢】

-P2-



タイミングを計っていたら、
私を抱きしめる彼の力が強くって、
思わずむせてしまった。

「ナ!ナミすわ〜〜〜ん!!!」

講堂をつんざく彼の雄たけびに
少しいらつきを覚えつつも、
私はゆっくり目を開けて言った。

「・・・だーれが死ぬのよ!」

ずいぶん口を開いていなかったので、
声が上ずってしまって少し恥ずかしい。

「オレがさ!」

「お前か!!」

そんないつものようなやりとりをしていてふと気付く。

「てか、いつまで抱きしめてるのよ!!」

「あ、ですよね」

一瞬、彼の瞳が潤んでいるように見えた。

慌てて、でもやさしく私から身を離すと、
照れているかのようにまくしたてる。

「いやーホントに嫉妬に狂いすぎて、
狂い死にするんじゃないかと思ったよ!」

「あ、見えないと思うけど、
あの変態スケルトン野郎は
きっちり葬っといたんで!!」

そして、



「痛いとこねェ?・・・無事でよかった」



急に、真っ青な瞳で、
真っ直ぐ私の目を見て言われ、
心臓がとびはねた。

こめかみの辺りがやたら熱い。



やっぱり気のせいじゃなかった。

彼の瞳は濡れていた。



 

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